「帝一の國」大海帝祭に木村了「勘違いに付き合ってくれてありがとう」
古屋兎丸原作による舞台「學蘭歌劇『帝一の國』」のイベント「大海帝祭」が、8月11日から13日まで東京・日本青年館ホールにて上演された。コミックナタリーでは8月12日昼の部の模様をレポートする。
2014年に「學蘭歌劇 『帝一の國』」、2015年に「【第二章】學蘭歌劇『帝一の國』-決戦のマイムマイム-」、2016年に「【最終章】學蘭歌劇『帝一の國』-血戦のラストダンス-」と、過去に3作上演された舞台「學蘭歌劇『帝一の國』」。「大海帝祭」では主人公・赤場帝一役を務める木村了を始め、過去の舞台作品に登場した全キャストが出演し、劇中で披露された楽曲をふんだんに盛り込んだステージが展開された。
ステージは黒いサングラスをかけた木村がポップアップで登場した後、銃を掲げ「ジュワッ!」と叫び「これは戦争」からスタートした。歌唱後には木村が「今日だけは勘違いしてもいいですか!?」と宣言し、大鷹弾役の入江甚儀、榊原光明役の三津谷亮ら出演者と共に、観客とコールアンドレスポンスを実施。そして「未来をつくりだすのは僕らなんだここに勝利の旗をかかげろ」「生徒会長になる僕は」「まずはルーム長になる僕は」といった楽曲を芝居を交えながら披露していく。
映像で出演した赤場譲介役の大堀こういちが、「父さん、今日そっち行きたかったー!」と叫ぶと木村は「ホントですよ、父さん」と返す。これに対し大堀が「本当にそう思ってる?(映画『帝一の國』で譲介役を演じた)吉田鋼太郎さんじゃなくてよかった?」とコメントすると会場からは笑いが。その後も大堀は「帝一、俺はね(映画で帝一役を演じた)菅田将暉くんも大好きだけど、俺の中の帝一はお前だけだ!でもお前が(映画で)やった堂山会長もよかったぞ」と映画「帝一の國」ネタを用いて、会場を盛り上げ映像内で「父から息子へ~そしていつか~」を歌い上げた。
また白鳥美美子役の井上小百合(乃木坂46)と樋口日奈(乃木坂46)も映像で登場。2人は「会場のみなさん、帝一くんたちの勘違いに付き合ってくれてありがとうございます」と呼びかけ、木村には「正直私たちどっちのほうがよかったの?」とダブルキャストで演じた美美子の感想について問い詰める。さらに堂山圭吾役の津田健次郎、森園億人役の大河元気、夢島玲役の佐藤永典も映像出演し会場を沸かせた。
次に舞台「學蘭歌劇『帝一の國』」の演出を担当する小林顕作が登場し、幕間のコーナーへ。12日の公演には2.5次元ミュージカルのプロモーション活動を行う、2.5Dアンバサダーの加藤諒も登場。ステージ上に設けられた5つの部屋に出演者が入り、中に用意されている衣装に着替えるという「5doors」が行われた。12日の昼公演の「5doors」には三津谷と駒光彦・成田瑠流可役の細貝圭、本田章太・高天原蒜山役の瀬戸祐介、羽入慎之助役の原嶋元久、オールラウンダーズの中谷竜の5人と加藤が参加。それぞれが自身の演じている役以外の「帝一の國」のキャラクター衣裳などに身をつつみ、客席を練り歩いた。
イベントの後半戦は、第一章で着用した夏合宿での戦闘服を身にまとったメンバーたちによる「Let me fly」から開幕。その後「ティーンズライフ」「ゆずるじゃないよ慎之助だよ」「キクマ・ド・サドのテーマ」「シルク・ド・キクマ 『セカイノオワリ』」などをメドレーで歌唱する。メドレー後には再び小林と加藤が登場し、「學蘭歌劇『帝一の國』」公演の中で思い出に残っているシーンを振り返った。
そして「學蘭歌劇『帝一の國』」の公演で披露された「はだか太鼓」や、観客席に尻を突き出して叩く「尻太鼓」を演者たちがパフォーマンスする。その後「マイムマイム」を踊り、「影をあつめて~Give your smile~」「ぼくにだってわかっている」を歌唱。次いで木村が「『帝一の國』は2014年4月に今はなき渋谷のパルコ劇場にて上演、そして2016年3月までの間に3作をやらせていただきました。今回こんな形で『ライヴ』が実現するとはまったく思っていませんでした。ダンスができる人間はわずか、歌はほぼ口パク。芝居は熱量だけで乗り切ってきた僕らのためにご来場くださった皆様には『感謝』、この一言に尽きます。度重なる僕らの勘違いにお付き合いくださり、誠にありがとうございました。でもそんな僕らにしか出来ないことを見せようと全力でがんばりました」と思いを吐露したあと「君はひとりなんかじゃない」を歌唱し、本編は終了した。
アンコールでは久我信士役の佐藤流司が「色々あってCDに入れられなかった曲、やっちゃっていいっすか?」「今日は俺とみんなの戦いだから。みんなうちわ以外にもペンライトって呼ばれるもの、キンブレって呼ばれるもの持ってると思うけど、へし折ってください」と観客に語りかけ、「ぬすんだバイクはかえそうぜ」を繰り出し会場は大盛り上がり。最後に「遠く」を歌い上げた後、おなじみの「すみれ、ばら、こちょうらん」でこの日の公演は幕を閉じた。なお「大海帝祭」はDVD化も決定。12月22日にリリースされる。
「學蘭歌劇『帝一の國』-大海帝祭-」
スタッフ
原作:古屋兎丸「帝一の國」(集英社ジャンプコミックス)
構成・演出・音楽:小林顕作
出演
赤場帝一:木村了
大鷹弾:入江甚儀
榊原光明:三津谷亮
東郷菊馬:吉川純広
根津二四三:谷戸亮太
駒光彦・成田瑠流可:細貝圭
氷室ローランド・光家吾郎:冨森ジャスティン
本田章太・高天原蒜山:瀬戸祐介
野々宮裕次郎:市川知宏
久我信士:佐藤流司
羽入慎之助:原嶋元久
オールラウンダーズ:今奈良孝行、中谷竜、ぎたろー、平沼紀久
映像出演
森園億人:大河元気
夢島玲:佐藤永典
白鳥美美子:井上小百合(乃木坂46)、樋口日奈(乃木坂46)
堂山圭吾:津田健次郎
赤場譲介:大堀こういち
スペシャルゲスト
8月11日(金・祝)13:00/17:30回:古屋兎丸
8月12日(土)13:00/17:30の回:加藤諒
8月13日(日)13:00/17:30回:HAKUEI(PENICILLIN)
(c)古屋兎丸/集英社